獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

小泉進次郎環境相のスター性

 小泉進次郎環境相が良くも悪くも人気である。この人物は何故か不思議だが、衆議院議員に当選した時からこぞってマスコミが追い回している。芸能界の解散した「スマップ」や、現在の「嵐」以上に様々な場面に登場する。国会議員という地位に適任かどうかや、人格や人間性の評価が分からぬまま、何故か不思議に「スター」なのである。

 この国の民主主義は時々意味不明の現象を醸し出す習性があるようだ。芸能人というだけの理由で持て囃され、珍重される傾向が顕著にある。これまでも訳が分からぬ芸能人が選挙に立候補し、何故か不思議に当選している。善し悪しを別にして「有名人」がお好きらしい。先の台風禍で無能振りを天下に示した千葉県の森田健作知事も、昔テレビに出ていた「有名人」の一人だ。

 国会内を漂流して「れいわ新撰組」代表に落ち着いた山本太郎議員もテレビ出身だ。東京都の小池百合子知事もテレビ出身だ。石原都政の置き土産2020東京オリンピックで、IOCや組織委を相手に一歩も引かない堂々とした対応は、並み居る"有名人政治家"とは能力と貫禄が天地ほども違う。人間性に加えて経験値が全く異なる。

 誠に「玉石混淆」の観を免れ得ない"有名人政治家"であるが、その中でも小泉進次郎人気は一際異色である。我が国のみならず世界でも、世襲制が制度化しているが如き"二世好み"があるようで、各国に封建時代さながらの世襲が数々見受けられる。我が国の政権では"小泉以降"安倍、福田、麻生、安倍と、世襲が繰り返されている。

 少し穿った見方をすれば、まるで歌舞伎の舞台さながらである。世襲というだけで大根役者も人気を得る点で、国会も同様のようだ。能力や経験値などが問われることはなく、それなりの格好と仕草をしていれば拍手万雷となる仕掛けが出来ている。小泉進次郎環境相が自らに課せられた任務を理解していようといまいと、荻生田文科相とは違うのだ。

 政治家としての中身が何もないことが判明しても、地元の横須賀に帰れば熱烈に支持してくれる有権者がいる。祖父から父へ、現在も健在で長く総理の座にあった父から子へ、あらゆる面で盤石の態勢が出来上がっている。能力があろうとなかろうと関係なく、地元では既に次期総理との呼び声が高い。

 小泉進次郎環境相のテレビ露出度は、安倍政権の閣僚の中で群を抜いている。現代はテレビが人気を博するのか、人気がテレビを追いかけているのかは分からないが、公共放送NHKさえ芸能人や有名人が登場しない番組はない。芸があろうとなかろうと、競うようにお笑いタレントに番組を委ねている。その人気度と露出度からすると、小泉進次郎環境相といい勝負だろう。

 国会議員にして国会議員にあらず、現職大臣にして現職大臣にあらぬ、そんな印象の小泉進次郎環境相が我が国政治のメインストリートを闊歩している。最早誰もその行方を妨げることは出来ないだろう。水戸黄門の印籠はないが、「頭が高い、控え居ろう」である。民主主義とは時に意味不明の現象を引き起こすが、"小泉進次郎環境相人気"は一体何を物語っているのか不思議でならない。