獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

石破茂とドナルド・トランプ

 暇な病人高齢者は世の中の出来事を超醒めた目で見ている。人間世界は実に色々なことが日々起こっている。どうでも良いことや、何ら関わりがないことを、さも自分事のように訳知り顔で報じているマスコミこそ"嘘臭い"が、それらをまともに受け入れて真顔で日々を生きている人間社会そのものがそもそも実に"嘘臭い"。

 先の自民党総裁選に4度目の挑戦をして敗れ去った石破茂元幹事長が、何を思ったか突然自らの派閥「水月會」の会長を辞任すると発表した。無関係の素人から見れば"遅きに失した"観を免れないが、テレビ出演した当人の言葉に拠れば「自民党総裁選に4度挑戦して叶わなかったので責任を取る」とのことだ。当然と言えば当然、当たり前と言えば当たり前のことである。

 改めて言うまでもなく与党自民党総裁は即内閣総理大臣になる。その善し悪しは別として我が国の制度ではそうなっていて、自民党結党以来河野洋平谷垣禎一両氏を除けば代々の自民党総裁が国民の直接投票を経ずに内閣総理大臣を相務めている。その自民党総裁選に4度挑戦をして実現しなかったということは、議員のみならず国民からも支持されなかったという厳正な事実である。

 今更のようにごちゃごちゃした理由付けなど一切不要だ。夢や理想を語っていられる時期であるか否かをまず考えねばならない。未曾有のコロナ禍の最中に何が必要であるかを思えば、小中学生でも分かる理屈が目の前にある。当人は政治的熱意と評するかも知れぬが、無為無策の論評は誠に聞き苦しいと言わざるを得ない。

 コロナ禍に何ら有効策を取り得ず大量の死者に目を向けずに、相手候補の悪口に終始しているアメリカ大統領が居る。海の向こうの出来事とは言え、これほど程度の低い米大統領がかって居ただろうかと思える"嘘つき"が現職ドナルド・トランプである。セックスシンボルのような若い嫁さんを持つ億万長者は、思いつきと口から出任せの嘘の羅列で超大国アメリカに君臨している。

 「恥知らず」という側面では共通する石破茂とドナルド・トランプであるが、例え微かにではあっても「責任」という言葉を発する分だけ石破茂は普通性がある。海の向こうのトランプには悪いが「責任」が見当たらない。こんな人物を直接選挙で選んだアメリカ人の良識と正義を疑わざるを得ない。何をやっても"唯我独尊"の中国共産党と同等のレベルだ。「世界のリーダー」が聞いて呆れる。

 海の向こうの他国ゆえ言いたい放題を言えば、間近に迫ったアメリカ大統領選は世界最大の茶番劇だ。「嘘つきトランプ」と「ほら吹きジョー」の対決である。どちらが勝って、どちらが負けたにせよ、小さな日本列島の住人である病人高齢者には関わりがない。アメリカ国民にとって幸せと言える結果には遠いように感じるが、所詮他国の出来事である。

 石破茂を言うなら同じ自民党総裁選を戦った岸田文雄にも触れねばなるまい。足場の自民党内での冷めた空気が読めず、政治とは何かさえ覚束ないまま看板だけの名門派閥「宏池会」の代表に治まり続けている。こちらは「責任」の欠片も見い出せない。"ノー天気"もここまで来れば"博物館級"だ。国の内外を問わず、政治とは余程「間抜け」がお好きらしい。

 トランプだか花札だか知らぬが、対抗するライバル民主党候補が「老いぼれ」のジョー・バイデンである。副大統領として仕えたオバマ前大統領に信認されず、それでもご老体に鞭打って大統領選に出馬する"ノー天気"ぶりは異彩を放つほどである。トランプの共和党のみならず、ライバル民主党も余程の人材難のようだ。"よれよれ"のバイデンを大統領戦候補者にせねばならないほど人材が枯渇しているのだろう。

 いずれを見渡しても希望や期待とは裏腹の顔や行動ばかりが目に付く。世界の政治が劣化し出して久しいが、これほどまでに低下すると誰が予想し得たであろうか。政治の劣化は国民レベルの劣化に他ならない。内外の国民誰しもが「自己中」に陥った結果の恐ろしさを、あざ笑うかのような新型コロナウイルスの「一人勝ち」のようだ。