獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

民主主義の化けの皮

 アメリカ・トランプ政権の断末魔が荒れ狂っている。元々正常ではない"おつむ"の持ち主が、こともあろうに世界の超大国で民主主義の殿堂の如くに思われていたアメリカ合衆国の大統領に当選した。理想主義の旗を高々と掲げた前オバマ政権とは、文字通り天地に余る違いが明白だった。政党政治の終焉と民主主義の綻びを見事なまでに世界に示した。

 国家を形成し世界を導くイデオロギーが消え失せて、現在眼につくのは専制政治と化した共産主義社会主義だけである。限られた一部の人間が権力を欲しいままにして、己と周辺の保身に身をやつしている。主義・主張はどこ吹く風で、旧王朝時代を凌駕する世襲制まで蔓延るに到っている。かつての民衆革命は影も形もなく、恐怖に踊らされる"羊の群れ"に変容している。

 キリスト教文化圏を支配する"伝家の宝刀"民主主義が揺らいでいる。余命幾ばくもないアメリカ・トランプ大統領を支持する"アホバカ国民"が、暴徒と化して民主主義の殿堂アメリカ議会へ雪崩れ込む図は、一体誰が想像し得ただろうか。世界の主権を欲しいままにしてきた超大国に、最早民主主義が存在しないことを示して余りある。

 爛熟期に突入した近代資本主義は「市場経済」という徒花を咲かせて世界に君臨するが、"利益一辺倒"の弊害が随所に見られるに到っている。「民主主義」という名の張り子の虎はズタズタに切り裂かれて、今や「市場経済」の果実に奉仕するのみの様相だ。強者が弱者を食い尽くす図式が正当化されて、今や現代経済学の主流を成している。

 民主主義がその名の通り民衆のために存在すると考える人はまず居ないだろう。その形骸は選挙の度に繰り返し"口先の方便"として多用され、候補者である政治家の言葉が真実と思う国民は居ない。白昼堂々と他の議員や関係者に現金をばらまく議員が、こともあろうに法務大臣に任命される国家が民主主義の正体である。

 "おつむが弱い大統領"を奉賛する"アホバカ国民"が、法や制度を無視して暴れ回っても現代社会ではちっとも珍しいことではない。同じような図式が世界の国々の各所で見られるが、珍奇さ以外には目が向かないマスコミは一切報道しない。権力とカネででっち上げられたマスコミ報道に飼い慣らされた世界の国民は、目が見えるのに盲目化して牙を抜かれている。

 制度疲労が著しい民主主義は"カネの亡者"のグッズとなり、富めるものは更に富む現代社会に貢献している。世界を席巻している新型コロナウイルスが自然発生したと考える人達は誠にハッピーで、どこかの国の誰かが世界の覇権を目論んで拡散させた事実に踏み込もうとしない。薄もやが立ちこめたような地球上で、来し方で笑顔になるのは一体誰か。

 間もなく政権交代が行われる地に落ちた超大国アメリカではなく、天文学的借金を積み上げて誰も責任を感じない先進国の我が日本でもない。「責任」という言葉が失われて、身勝手が「自由」だと誤解される風習が一般化すれば、間もなく「やりたい放題」が民主主義になる。チャラチャラと飾り立てた芸能人が「専門家」だの「知識人」に化けているのも平和ゆえだろう。

 嘘と真実が逆転すれば民主主義ほど便利なものはない。何でもが「正義」になり得るので、善意と悪意もまた怪しくなる。身勝手な正義で武装し、市場経済を味方につければ文字通りの「天下無双」である。さて新年早々命が続けばどう生きるか、思案に迷う新年の始まりである。