獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

千葉県の停電被害

 世に常識とされるものに怪しいものが少なくない。テレビで眼にする千葉県内の台風による停電被害もその一つであるように思う。「自然災害」という言葉が多用されて頻繁に登場するが、この停電被害を「自然災害」と呼ぶのは余りに無責任ではないかとの疑問が拭えない。

 「自然災害」とは言葉通りに人智が及ばない不可抗力の災害である。今回の千葉県内の停電被害は、異例の長期化を招いた森田県政の「人災」の可能性が大だ。事前予測による準備作業が行われた形跡はなく、呆然と無為無策を重ねていたと言われても反論は出来まい。被害翌日にでも早急な現地調査と確認が行われていれば 、自衛隊の出動要請と同時に作業の分担が明確に取り組めた筈である。

 実態を何も把握できずに楽観視していた「無能県政」は、県民自らが選択したものである。芸能人としての知名度に興味本位に投票した結果なのである。千葉県民には過酷な表現になるが、陣頭指揮に当たるべき能力に欠けた森田健作知事を選んだ代償である。もっと言えば「自業自得」とも言える「人災」であろう。"人智"が及んでいるとは到底考え難い。

 「事実は小説よりも奇なり」と世に言う。マスコミは真実を伝えているか。社会生活や人間生活に必要なものは何かを判断し得ているか。安倍政権の内閣改造で初入閣した小泉進次郎を追うことが、猛暑に耐え飲み水さえ事欠く生活を強いられている多くの被害者より重要なのか。人間の尊厳や社会正義と秩序を世に問い、伝えているか。

 近年多発する「自然災害」がキチンと総括・反省されて、それぞれの地域で教訓として活かされているか。不可抗力には抵抗できなくても、それぞれの持ち場で"人智"が尽くされているか。スムーズに、スピーディーに、被害を回復できているか。台風15号による千葉県内の停電事故は多くの教訓と示唆とを示している。

 災害復旧のボランティアに汗を流すのも重要だが、地方自治とは何か、地方行政とは何かを問われている。"地域づくり"の大切さを示して余りある千葉県内の停電被害である。その根源は県民一人一人が投じた1票に深く関わっていることを、私たちは心に刻まねばならないと思う。それゆえに「人災」なのである。