獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

茶番政治いつまで

 菅政権の不人気が沸騰寸前だ。国民の誰にも知られず、誰にも期待されずに、安倍前総理の突然の辞任劇のどさくさに紛れて登場した菅義偉現総理だが、登場から日が浅いにも関わらずここまで不人気な政権も珍しい。何やら誰も期待していなかった真相が、いわずもがなに伝わる。ご本人は延々と続けたいのだろうが、最早幕を引く以外の方策が見当たらない。

 安倍前総理を見習ってどさくさ紛れに突然登場して、どさくさ紛れに突然身を引くのが何よりご本人のためだろう。これ以上続けられたら主権者の国民が迷惑することを是非自覚すべきだ。明確な方針や主張もなく最高権力者の座に座り続けるのは、"座興"を逸脱して"害悪"になることをご存じないらしい。私たち国民の最大の不幸は与党自民党内にも、野党を含めた国会全体にも、菅総理の首に鈴を付けられる人物が居ないことだ。

 イデオロギー不在の時代は「末期症状の強欲資本主義」が我が物顔に"のざばり"続けるが、銭カネにしか目が向かず関心がない世界の国民は明瞭な「社会規範」を失って、何を指針にして基準を定めるべきかさえ覚束ない。どう巡り廻っても手にすることが出来ない「富の幻想」に惑わされて、自らの生活指針と異なる真逆の候補者に選挙で一票を投じる。

 民主主義が幻想に遠のいているのに気づかず、未だ理想主義の原理・原則を信じて選挙に足を運ぶ人たちが世界の主流だ。自分たちの利害を代弁し、その利害に直結すると信じる候補者の言動は、善悪を超越して「正義」となる。超大国アメリカのトランプ政権がそれを見事なまでに世界に見せつけた。アメリカほど派手に目立つことはないが、我が国にも同根の芽が根付いている。

 隣国の中国共産党とは体制が異なるものの、我が国の自民党は事実上の「一党独裁政権」だ。政権交代が可能なアメリカはトランプ政権がどんなに"悪臭"を放っても、曲がりなりに民主主義が成立している。それに引き替え我が国は民主主義体制にはあるが、殆ど存在感が希薄な雑多な野党が存在するだけで、例え間違いても政権交代が実現する可能性がない。言うなれば"疑似民主主義"とでも呼ぶべき与党安泰体制だ。

 中国や北朝鮮のように強権を発動しなくても、国民が選挙で選んだ結果の政権なので誰憚ることなく"好き勝手"を「正義」に変えることが容易だ。その安直民主主義が誕生させた現菅政権は1度も選挙の洗礼を受けていない。言い方を変えれば"非公認"の暫定政権でもある。安倍前総理の残り任期の短命に終わる可能性が否定できないが、さりとて現在の与党自民党に代替候補が居るとは到底思えない。

 かくして官僚の作成した台本を読むだけの菅総理でも、ライバル不在に助けられて安倍前総理同様に能々と総理の座に居座り続けることが不可能ではない。適任という言葉がどう無理をしても相応しいとは思えないが、我が国の政治システムは誠に政治ブローカー向きに出来ている。不都合な部分は立法府の権限を悪用して削り落としてあるので、"好き勝手"な「正義」が司法の場にまで生きている。

 何をどう処理すべきかお判りにならない迷走政権だが、居並ぶ閣僚全員が同類のようでコロナ騒動の専門家の助言も理解が及ばないらしい。やることと言うことが"ちぐはぐ"で、言葉通りの「右往左往」の域を出ないが、この菅総理と政権が「緊急事態宣言」やら「非常事態宣言」を発しても受ける国民の側は「お笑い茶番」位にしか響かない。額面通りに信頼して実行しようとの気配が希薄だ。

 近年目立ってお笑い芸人やタレントが登場するようになった公共放送NHKの番組同様、必要性を認め難いのに勝手に家庭に入り込んでくる"お邪魔虫"政権は、いい加減引っ込まないと視聴料や税金を払う国民が居なくなると警告したい。"有難迷惑"は所詮"有難迷惑"で、短命・長命の区別なく無用の長物に違いはない。少しは国民が惰眠から目覚めて賢くならないと、やがて民主主義が強権を伴う共産主義に取って代わる日が訪れるだろう。

 戦前の全体主義は何らの予告もなく、国民が知らぬ間に国民全体に浸透して強固な支配体制を築いた。反意を示す者は容赦なく投獄された歴史をお忘れではないだろう。恐怖は気づいた時には大抵手遅れになる。茶番政治の向こう側に存在するのは何かを、確かめるのに遅すぎることはない。怠慢のツケは遅からぬ間に現実になろう。白内障で目が翳む前に、何が必要で、何が不要であるのかを見届けよう。