獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

流れ去る時代

最近は聞かれなくなった言葉の一つに「光陰矢のごとし」がある。時間の流れる早さを強調した言葉だが、現代社会は悉く人工的に操作されているのを不思議とは感じずに、むしろそれが"普通で当たり前"だと感じる人の方が多数派のようだ。すべてが不自由で不便…

雨が降る

窓の外は雨である。丘の上の高層住宅から見える遠くの景色はグレーに霞んでいる。小さな戸建て住宅も、15階前後のビル群も、その間を縫ってゆっくり走るモノレールも、そして点在する幾つもの森も、一様に等しく雨に煙っている。水無月(みなづき)六月は梅雨…

便利な社会の不便な現実

現代社会はありとあらゆるものが身の回りに溢れ、どれが必要でどれが不要なのかに迷うことが屡々である。情報などの目に見えず、手触りを確かめるのも難しいものを含めて、真偽が定かでないあらゆるものが怒濤のように押し寄せてくる。折からのIT化社会はそ…

長生きの年貢

人間業も最終局面の第4コーナー辺りに差し掛かってくると色々面倒なことが持ち上がる。他人事ならいざ知らず自分のことゆえ尚更厄介だ。況してや重病を抱えていれば、知らぬ顔の半兵衛を決め込むわけにはいかない。否応なしに対応せざるを得なくなる。人間と…

普通の暮らしと人生

現代社会は豊かで便利な高度社会だと言われている。物事は見方と感じ方で解釈が異なるので一様ではないが、そう感じることが出来る人は極めて幸せだと言えるだろう。その反対で努力に見合った報酬や成果が得られず、何とはなしに時代に置き去りにされている…

「NATURALLY」渡辺貞夫

長くご無沙汰し最近また聴き始めたジャズのアルバムタイトルである。NATURALISTが自然主義者を指す言葉であることから、多分同意義語であろうと思って広辞苑を調べた。意に反してNATURALLYでは検索不能で、英和辞典を調べたら「予想されていた」「思っていた…

ああ懐かしの自民党

我が国の政界に自民党が登場して久しくなった。世に「55年体制」と知られた時代がすっかり遠くなった。今やその言葉を目や耳にする事さえなくなったが、自民党という呼称が広く定着して、「自由民主党」という正式名称が半ば忘れられかけている趣だ。お笑い…

お笑い茶番の河井前法相夫妻

世を挙げてコロナ騒動の最中に、誠に陳腐な笑うにも笑えぬ「政治ショー」が繰り広げられた。ご存じ広島県選出の国会議員、河井克行前法相夫妻の壮大な選挙違反疑惑である。マスコミ報道によれば兎にも角にも現金をバラマイタらしい。夫が先に衆議院議員とし…

音楽を聴く日々に

難聴で日々弱まる聴力と音感を補うため、更には癌闘病患者としての雑念を遠ざけるため、ほぼ毎日四六時中音楽を聴いている。2組のスピーカー・システムと、同じく2組のヘッドフォンを用意して、その日のコンディションに合わせて選択しながら色々な音楽に親し…

老人日記(11)前立腺肥大

高齢者の日常は色々な種類の病気との付き合いに始まり、それに終わる観が強い。長年付き合っている"古女房"同様の持病の他に、時に妖しげな生々しさを伴う新種の病気の訪問を受ける。現実の女性であったならと考えると少なからぬ期待感も持てるが、実際の病…

夏の嵐

初夏なのに何故か連日台風並みの強風が吹き荒れている。マンション8階の自宅のベランダへ出ると身体ごと吹き飛ばされそうである。外干ししてある洗濯物が今にも千切れそうな勢いで、激しく風に揺れている。突然早春に戻ったり、そうかと思うと突然真夏が訪れ…

夏が来たりて

この数日照りつける太陽の光が強まって夏の到来になった。本格的な梅雨が始まる前の"夏の予告編"とも言える自然現象で、例年この時期になると欠かさず几帳面に出現する。再発した肺癌を抱える高齢者は気軽に外出が出来ないので、マンション8階のベランダに出…

内向きと外向きの人生

人間の生き方は大きく分けて二種類ある。内向的とか外向的と呼ばれる性格の違いもあるが、その人の意思や視点が自分自身に向いて自分主体に生きているか、或いは常に意思や視点が他人や世の中を向いているかで、同じように見えてその実は全く異なるのである…

妙な時代の妙な現象

普段私たちが気づかずに漠然と日を過ごしているこの時代は、少し落ち着いて考えれば誠に奇妙な時代であるようだ。科学技術の恩恵に浴して、曲がりなりにも豊かさに取り囲まれている。その豊かさに慣れ親しんで、豊かであることをつい忘れがちな毎日だ。そう…

死に損ないの嘆き

相変わらず生きているような、死んでいるような日々が続いている。心臓が鼓動を刻み続け、肺が呼吸しているのでどうやら未だ生きているのを実感できるが、ただそれだけと言えば言えなくはない。食い意地が張っている老人ゆえ、今日はこれを喰いたいなどと言…

難聴者の音楽

難聴者に音楽は存在するのかとの質問を受けそうなタイトルだが、危うい"死に損ない老人"だって音楽を聴いている。10年程度の長い時間で少しずつ進行してきた「難聴」であるが、耳鼻科の専門医の診断は「加齢による聴覚神経の衰え」である。自然現象なので誰…

容態悪化

持病の再発肺癌が急変した。2,3日前に少し距離がある店で重量品の買い物をして、老妻が使っている買い物キャリーを借用してバスを乗り継いだ。自分の年齢や体調を考慮すれば少なからず無謀であったと反省したが、"後の祭り"で翌日早速異変が起きた。 普段か…

売る側の論理と買う側の論理

コロナ・ウイルスの感染拡大による「外出自粛」は解除されたが、それに伴う混乱が予想以上に深刻のようだ。事前に予測が出来ず突然降って湧いたような騒ぎになったのだから無理もないと思えるが、その予測不能の事態から色々な世の中の矛盾が明らかになった功…

水無月の雨

水無月六月のスタートである。六月は前月五月の晴れ渡る語感とは違って、どんよりとした鉛色の曇り空のイメージだ。後に連なる七月の灼熱の太陽に近いにも関わらず、その真夏とは凡そ縁遠い。案の定スタートは雨になった。少し肌寒いくらいの水無月である。…