獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

辞書の愉しみ

世の中には色々な趣味をお持ちの御仁が居られるが、私の趣味の一つが辞書である。辞書とはとんとご縁がないという方も少なくないと思うが、私の場合は社会人デビューが国立大学の附属図書館司書だったので、否応なく膨大な書物の谷間での生活を余儀なくされ…

「暇で退屈」と平凡・非凡

世の中で屡々耳にするセリフに「暇で退屈だ」というのがある。比較的頻繁に使われているので、日常の色々な場面でお馴染みだ。人によりけりだと思うが、そう思う人が居る一方で、逆に凡そ暇や退屈と無縁な人も居る。人間は実に面白い存在だと改めて思うが、…

老後の人生

毎日のコロナ・ウイルス関連報道でも、高齢者という言葉を眼や耳にしない日はない。現代社会で決して少数派ではなくなった高齢者だが、それぞれが悲喜こもごもの老後に向き合っている。若い時分には老後という言葉自体縁がない遠い世界のように感じていても、…

興味本位の時代

現代社会は何事によらず興味本位に傾いているようだ。物事の本質を云々するのは"ウザい"と敬遠され、当節流行の"芸がない芸人"たちの流儀が持て囃されている。お笑いタレントだというそれらの芸人達は、朝から晩までテレビに登場して「面白くも可笑しくもな…

天津甘栗と李鴻章

私が住む東京日野市の高幡不動参道商店街に「天津甘栗」を売る専門店がある。前を通る度にその甘い香りに誘われてつい買ってしまうのだが、ここ暫くご無沙汰していた。久しぶりに買った甘栗はやはりその名の通り甘かった。随分昔になってしまったが、顔を合…

寒い春と天気予報

今年の春は寒い春だ。間もなくゴールデンウィークに突入しようというこの頃になっても、一向に春らしい暖かさが感じられない。温度計は時折春らしい気温を表示するが、体感的に暖かいという実感がない。これも地球温暖化の影響といってしまえばそれまでだが…

敬語の喪失

現在嫌でも毎日眼と耳に入ってくるコロナ・ウイルス関連のテレビニュースを見ていて、それを伝えるNHKや民放各社のアナウンサーの言葉に強い違和感を感じている。連日番組のゲストやコメンティーターとして医療の専門家が登場する。それぞれに感染症医学の権…

ラーメン今と昔

ラーメンは言うまでもなくラーメンである。良くも悪くも日本人なら知らぬ人は居まい。「ラーメン 【拉麺】(中国語から)中国風に仕立てた汁そば。小麦粉に鶏卵・塩・梘水かんすい・水を入れてよく練り、そばのようにしたものを茹ゆで、スープに入れたもの。…

新緑の感慨

世を挙げてコロナ・ウイルス騒動で大わらわだが、気がついてみると身の回りや遠近の山々の新緑が萌え立つようである。人間社会の騒ぎなど凡そ無関心だとでも言いたげに、濃淡様々な新緑が輝くばかりに目に入る。我が家の目の前の森は、種々雑多な樹種が入り…

高齢者のための「尿漏れ」の話

世に高齢者が溢れる時代である。かく申す私自身が高齢者なので、ことの大小を問わず高齢者問題に無関心では居られない。どれもが自身のことであるからだ。特に長く病院のお世話になっている身としては、自身のことに加えて否応なく色々な患者さん達に接して…

外出自粛と人間の尊厳

随分前から自主的に外出を自粛している。肺がん再発患者なので慢性肺炎状態だ。ただでさえ息苦しく、時折咳き込むと呼吸困難になる。万一コロナ・ウイルスに感染すると三日と持たずにあの世とやらへ旅立たねばならない。最悪のシナリオはそればかりではない…

人生の味

味覚は人間が生きていく上で欠かせない要素の一つだ。人間に限らずあらゆる種類の生き物は無我夢中でひたすら喰う。生きるために喰うのか、喰うために生きているのかが分からない位によく喰う。何も考えずに喰うのか、何かを考えながら喰うのかは不明だが、…

人間の三欲

俗に言う「食欲・性欲・睡眠欲」は人間生活の基本である。そのいずれを欠いても毎日の暮らしが快適にはならない。しかし、だからといってこの三要素がすべて完全に充足されている人は少ないだろう。何故ならば、人間として生きる基本であるこの三要素が全て満…

阿吽の呼吸

広く世に知られた言葉であり、表現に「阿吽の呼吸」というのがある。言わずと知れた仏教用語で、我が国の文化に古代中国が如何に深く関わっているかを示す一例でもある。仏教者の端くれとしては単なる言葉の一つとして素通りは出来ないので、一応正確な語意…

春の魔術

今年の春は近年の傾向に沿った天候不順な春のようだ。桜が咲く前までは3月とは思えない暖かな日が続いたが、例年になく早く開花した桜が妖しげな寒さを呼び込んだのか、咲いた桜が震えるような寒さと強風の到来になった。その桜が終わっても得体が知れない寒…

生きる潮目

連日のコロナ・ウイルス関連の報道に接していると、何やら突然異次元の世界へ連れてこられたような錯覚を覚える。これが夢や妄想の世界での出来事ではなく、リアルタイムの現実で世界を覆っているのだから実に厄介だ。漫才や落語のように"オチ"がついて終わり…

フェーク・ニュースの功罪

愈々来るべきものが来た。テレビが伝えるフェーク・ニュースの特集番組を見ての率直な感想である。携帯電話が世に登場してその便利さが急速に広まるにつけ、いつの日にか今日の事態が現実化するだろうと予想していた。特に先進国や後発国を問わずに急激に普及…

老人日記(8)

兎にも角にも大変な事態の到来である。小池東京都知事に続いて安倍総理も、異口同音に「緊急事態」を強調している。今やどちらを向いてもコロナの話題ばかりである。世界が未曾有の緊急事態で大きく揺れている。今更のように何ゆえこのようなことになったか…

緊急事態宣言

世の中の慌ただしさが一段と加速している。日に日に目に見えて増え続けるコロナ・ウイルス感染者数が、楽観の領域を超えてしまった。巨大都市東京が揺れ続けている。国の予測より早く、水際作戦の陣頭に立つ小池百合子都知事の勇姿が際立っている。この非常時…

新緑と世相

我が家の目の前の森が新緑に衣替えした。少し前まで"枯れ木の森"の風情だったが、あれよあれよという間に新緑の輝きになった。毎日目にしてはいるが、注意して見ないと気づかないくらい鮮やかに早い。芽吹きが始まったと思っている間の、一瞬の出来事でもあ…

日本語と日本人

世には種々雑多な人種が生息する。細長い島国の我が国も江戸時代までの鎖国とは異なり、現代は在来種族のみならず海外からの輸入種族も増えて賑々しくなった。肌の色も一様ではなく、黄色に加えて白あり黒ありで、飛び交う言語も様々である。不思議な時代と…

救い救われる命

UR賃貸住宅の我が家の玄関に、黒光りがするアルミ製の弥勒菩薩の尊顔が掛かっている。有名な中宮寺の半跏思惟像の尊顔レプリカである。随分長いこと我が家に滞在されているので、かなり古びて所々に塗色の欠け落ちや傷が目立つようになった。古美術品として…

何もしないという選択

検査が続いて2日連続の大学病院通院になった。コロナ・ウイルスによる「外出自粛」で、街中も電車やバスも人影が少ない。そればかりかいつもは患者がごった返す大学病院外来も、勝手が違ったように比較的空いている。妙な伝染病が大流行すると、従来からある…

当たり前と当然

世の中には納得できることばかりではない、むしろどうしても合点がいかぬものや納得できないものが数多くある。それでも世の中とは善くしたもので、殆どの人がその合点がいかぬものや納得できないことを、訳知り顔で受け入れ生きている。本来はとても不思議…

寒い春と志村けん

近年の天候は誠に気まぐれで、お彼岸前までは晴天続きで暖かい日が多かったのに、お彼岸が過ぎてからは一転して肌寒い曇天や雨の日が続いている。自然現象も人間社会同様に「自己中心主義」になったようだ。この世に存在する全てのものが、勝手気ままに動き…