獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

花が招く季節

遅咲きの梅が今を盛りと咲き誇っている。2月早々に咲く早咲きの梅も良いが、何かしら季節に乗り遅れたような風情で、目立たずに咲き続ける遅咲きの梅は何故か桜を待っているようでけなげだ。人も花も同じだが、我先にと他の花や人を押しのけて世に出るものに…

山田洋次と是枝裕和

山田洋次と是枝裕和といえば言わずと知れた日本映画界を代表する巨頭である。往年の洋画ファンも、近年は見るべき洋画がなく足元の日本映画を愛するようになった。派手なアクションには全く興味がないので、近年の洋画で眼につくケバケバしさには文字通り閉…

今日の歳時記

妙なタイトルで、"京の歳時記"の間違いじゃないかと思われる方も居られよう。お断りするが、まだタイトルを間違えるほど呆けては居りませんのでご安心下さい。さて、今日のと表記したのには理由があって、近年の天候は季節感が乏しくなった。"地球温暖化"と…

銀座今昔

先般NHKがBS放送で流している「世界ぶらぶら街歩き」とかいう番組を見た。これまで何度か目にしている番組だが、タイトル通り世界各国の"街歩き"で、馴染みが薄い街が多くて何となく"見流し"ていた。それが何故かは分からぬが突然「銀座」になった。今では遠…

老人日記(4)

高齢者も何かと忙しい。老妻が齢80を目前にしてダウンした。椎間板から股関節にかけての骨の異常とかで歩行困難になった。室内は周りのものに掴まりながら何とか動けるが、戸外へ出るのは無理になった。老夫婦だけの世帯は一方がダウンすると、当然の帰結と…

昨日・今日・明日

現代社会は時間の経過が早い。時間そのものは変わりがなくても、心に残る印象としては"とてつもなく"早く感じる。人間誰しもに共通して「昨日・今日・明日」は訪れるのに、同じ一日とは思えないから不思議である。然も子供と大人では、感じる印象が全くと言っ…

姥捨て新時代

今の時代に「姥捨て」と言われてもピンと来る人は少数派だろう。深沢七郎の小説「楢山節考」に描かれる世界は、現実にかつてこの国に存在した風習である。何度も映画化され、比較的最近のものでは今村昌平監督の作品が印象的だ。数々の映画賞を受賞されてい…

川の流れに

音もなく流れ去る川は何故か人の郷愁を誘う。川と言っても関東の利根川や、四国の吉野川、九州の筑紫川などのような大河から、凡そ川というイメージから縁遠い小さな河川まである。何故か不思議に人は水辺を求めて集まり、そこに暮らす。同じ水辺であっても…

千登世橋から

いきなり千登世橋と言われても大方の人はピンと来ないだろう。橋と命名されているが実際に川が流れているわけではない。東京都豊島区内を通る幹線道路「目白通り」と、「明治通り」が交差する陸橋名である。上を「目白通り」が通り、その下を渋谷と新宿を経…

公明党の不思議

再三指摘しているが、政治の世界はミステリーの宝庫であり、巣窟でもある。"一寸先は判らない"とも言われるが、誰の目にも明らかなこともある。新興宗教という呼び名が色褪せた感じの「創価学会」を母体とする政党「公明党」である。保守政治の自民党と提携…

普通とグルメの違い

人間誰でも美味しいものを食べたいと願っている。異色派には俗に言う「ゲテモノ」の類いを好んで食べる人達も居るようだが、それらの人達を普通だとは言わないし、普通だと思う人も少ないだろう。普通とはごく当たり前の常識的範囲内の食事を美味しいと感じ…

コロナ・ウイルスと中国の脅威

何やら得体が知れぬコロナ・ウイルスとやらが大流行だ。源泉はまたもやお隣の独善大国中国のようである。今や世界の安全保障上でも脅威をまき散らし続けるこの大国は、恐怖の代名詞とされる「共産主義」を掲げて悪びれる様子がない。制度が全く異なるこの国に…

日本共産党の不思議

世の中には色々な不思議があるが、中でも政治に関する不思議は不思議を飛び越えて「奇怪」の部類に属するものが少なくない。国会に議席を持つ与野党それぞれにミステリーを秘めているが、政党として一番長い歴史を誇る日本共産党は特に傑出している。「万年…

春の足音

急に暖かい日の訪れである。天候異変だろうが、季節外れだろうが、穏やかで暖かい日は大歓迎である。人の心は元来"浮気性"で、それぞれ自分勝手な理由で善いことや悪いことが入れ替わる。この"世知辛い世"で、よもや寒い日を歓迎する人は居ないだろうと想像…

長いトンネルの安倍政権

「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった。」川端康成の小説「雪国」の余りに有名な冒頭である。上越新幹線ができる遙かに前の時代の話で、そこかしこに現代とは異なる雪国特有の風情があった頃である。降り積もる雪に閉ざされて、人々は僅かな温…

安直だらけの時代

世の中を見回せばどちらを向いても「安直」だらけである。まるで「安直大バーゲン」の趣だ。どうしてこうなったのかについては各論があるだろうが、理屈を捏ね回しても事態が改善されるわけではない。何らかの改善策があるとすれば、それは私たち国民が率直…

文化遺産の価値

最近とみに「文化って何だろう」と考えることが多くなった。「世界文化遺産」がブームを呼んで、大勢の人達が押しかける様子をテレビで拝見する度に、首を傾げたくなるのである。高齢者特有の"老婆心"がないではないが、昨今は「文化」と言う名の"商品"があ…

高山厳「池上線」セピアの思い出

最近の歌は聴くべきものがないので、徒然に古い歌を聴いている。長いこと愛用してきたipodが、暫く放置していた間に古くなった充電池が底をついた。ついにダウンかと観念して諦めたが、"ダメ元"だと思ってパソコンにつないだら奇跡的に復活した。パソコンは…

忘れられた歌の真実

今や世を挙げて「チンドン屋の物真似」が大盛況の観が強い。"チンドン屋"と言っても若い世代の皆さんはご存じなかろうと思うが、敗戦後の焼け野原と化した街々にポツポツと店ができ始めた頃に胸と背中に大きな宣伝看板を掲げて、アコーディオンやクラリネッ…

歌の徒然にBORO

少し前になるがテレビで日本歌手協会の「12時間コンサート」を視聴した。とは言っても、いくら暇な高齢者でも12時間テレビの前に張り付いているわけにはいかないので、録画して後日早送りして見たい部分だけをピックアップして視聴した。善し悪しは別として…

老人日記(3)

老人は物忘れが激しい。ブログの駄文も書きかけていて、何を書くのか忘れることがたまにある。昨日は2020年2月2日で2が4個並ぶ面白い日だった。そんなつまらないことは良く憶えているのに、肝心のことになると些か心許ない。それもこれも"寄る年波"でしょう…

「セピア色の情景」余話

読者の方には申し訳ないが、老人の話は概してつまらないものが多い。古いものを指して「セピア色」という表現があるが、我流に解釈すればこれは少し美的すぎる嫌いがある。絵具のどれを探しても「セピア」という色はない。写真の分野にはセピアンカラーとい…

セピア色の情景

それはとある年の10月の出来事だった。北国津軽は季節の進行が早いが、その年は珍しく比較的温暖な日が続いてその日も暖かかった。紅葉の時期は既に過ぎて、街路樹は葉を落として遠くに見える山肌も色が変わっていた。街をゆく人の服装はすっかり秋めいて、…