獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

2018-01-01から1年間の記事一覧

物思う秋の加古隆

曇り空の雲の合間から日差しがこぼれる午後は気持ちが良い。秋の陽は長い影を落とすので、いつもと違う景色が目に映る。丘の上のマンション8Fから眺める秋の午後はまるで印象派の絵のようである。薄いクリーム色の5階建て集合住宅が並ぶ向こうに、茶色の濃淡…

「鐘の鳴る丘」と「駅の子」

遠い遠い記憶になってしまった「鐘の鳴る丘」について書いた。書き終えてから、少し前にNHKがテレビで「駅の子」というドキュメンタリーを放送したのを思い出した。都合で見れなかったので録画してあった筈で、テレビの録画リストを見たらあった。終戦当時の…

「鐘の鳴る丘」の時代

タイトルに掲げた「鐘の鳴る丘」をご存じの方々が現在どれ位おられようか。敗戦後の荒廃した街々に溢れ出した、家や親兄弟を失った少年・少女たちを主人公にしたNHKの連続ラジオドラマである。身に纏う洋服はボロボロにすり切れていても、キラキラ輝く瞳に明…

続・日本人の宗教観

何も日本人社会に限ったことではないが、高度に文明化された現代社会は人間生活全般が形式的である。別項で「日本人の宗教観」について書いたが、宗教側から見る日本人社会は誠に滑稽で、抱腹絶倒の連続である。無知と無理解が生んだユーモアとも言えるし、…

日本人の宗教観

世界に多種ある民族の中で日本人ほど宗教に関して「訳が判らない」国民は珍しいと言われる。歴史的に主流の座を占めてきた仏教は中国渡来で、古くは奈良時代に渡来僧によってもたらされた。仏教についての講義を始める気はないので、ここでのテーマは日本人…

秋の序章 秋子という名の女

遙かに遠い昔の話になるが、大きな瞳と整った健康的な笑顔が素敵な女が居た。まだ学生であった私は知らず知らずのうちに彼女の自宅の前を通って大学へ通うようになった。タイミング良く彼女と顔を合わす機会が多くはなかったが、それでも時折は女子高の制服…