獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

即席麺今昔

インスタントラーメンという言葉が世に誕生して久しい。その誕生時を知っているお方は私同様に相当お年を召した方々になった。現在の日本人の大半は生まれた時には既に身近に各種のインスタントラーメンがあった。誰でもお湯を注げばすぐに食べられる便利さ…

昨日・今日・明日

時の流れは容赦なく速い。若い日々には時間の経過が遅く、待ち望むことが容易にやってこない印象が強かったが、不思議なもので年齢を重ねる毎に時の流れが速くなる。人間社会に何があろうとなかろうと、自然は静かだが確実に時を刻み続ける。それを人は無情…

コロナ・ウイルス新時代

新型コロナ・ウイルス感染拡大に伴う「非常事態宣言」がひとまず全国的に解除された。たかだか3ヶ月足らずの短期間だったが随分長く感じるのは何故だろうか。誰も経験したことのない前代未聞の事態であった他に、急転直下生活の変容を余儀なくされたことが大…

老人日記(10)

コロナ・ウイルス感染拡大が沈静化しつつあり、大半の地域の「非常事態宣言」が解除された。東京が中心の首都圏と北海道が未だ解除されていないが、それももう時間の問題だろう。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言われるが、大騒動が再来しないことを祈るのみ…

人間であること

突飛で恐縮だが、自身が人間であることを考えたことがお有りだろうか。当たり前すぎて取り立てて考える機会がない人が多数派だろう。特に考えなくても人間として生まれて人間として生きているので、哲学のゼミでも取り上げられる機会が多いとは言えない。人…

消え去る情報と残る情報

現代社会はSNSの登場によって「猫も杓子も情報」の時代になった。新技術について行けない高齢者は大方取り残されているだろうと思いきや、二極化されていち早く新技術を取り込んで時代の最先端に親しんでいる御仁と、何が何だか分からないまま"やぶにらみ"し…

人生の長坂

少し記憶が曖昧だが「人の一生は重き荷を負い長い坂を登るに似たり」との言葉が、忘れ難く記憶に留まっている。確か徳川家康か柳生宗矩の言葉であったと憶えているが、短くはない人生の山坂を越えての述懐が胸に響いた。生きた時代が現代とは大きく異なるこ…

生きている幸せ

人間は普段自分が生きていると感じることが少ない。特別感じようと感じまいと、普通に呼吸していれば心臓が動いてくれて生存活動が維持されている。これが生きているということなのだと改めて考えなくても、その前に現実の生活が出来ているのが普通だろう。…

知的障害妻

先稿の「馬鹿につける薬」で知的障害がある老妻を書いた。世間の常識でいえば、何も好き好んで家庭内の恥を曝すことはない、ということになろう。新旧を問わず凡そ世間の常識とされることに大いなる疑問を拭えないタイプの人間なので、別段それを恥だとは認…

高齢者の関心と無関心

自分自身がゴール間近い高齢者なので、何事によらず高齢者に関することに目が向く。高齢者は全般に長い人生経験を有するので、いい意味でも悪い意味でも生きることに慣れている。この「慣れ」が実は曲者で、慣れ過ぎて物事に無関心になる向きが多いようであ…

馬鹿につける薬

最近は馬鹿という言葉を聞く機会が滅法減った。かつて言われていた精神薄弱という言葉が差別用語だと世の中から敬遠されて、最近は「知的障害」とかいう言葉になった。アジア唯一の先進国として手厚い人権擁護制度を持つに至った我が国は、殺人者やそれに類…

何気ない日常と認知症

私たちは毎日を生きている過程で、「昨日が過ぎて今日が来た」と感じるか、或るいは「今日が過ぎて明日がやってくる」と感じるかで、現在の時間の認識が大きく変わるのをご存じだろうか。一見どちらでも良いようでいて、その実は全く異なるのである。敢えて…

心眼の有無

人は得てして見えているのに気づかなかったり、聞こえているのに感じなかったりということが屡々ある。別段目や耳に異常はなくても、何故か不思議に見えなかったり聞こえなかったりする。人間誰しもにあるごくありふれた現象だ。ごくありふれている分だけ注…

気づきの美学(2)

世の中は色々なことがあって色々な人が生きているから楽しいのだが、自分のことばかりではなく他人事でも身近で起きることには無関心でいられない。特に他人事はどうでも良いのだが、思わず笑いたくなったり腹立たしい思いをすることが度々ある。ことの大小…

オールド・ジャズシーン

難聴の高齢者は哀れと幸いが同居している。重傷の左耳鼓膜に装着していた小さなチューブが外れ、閉塞感が強まってほぼ聞こえなくなった。何度も繰り返しているので鼓膜が張りを失ったことが原因らしい。暫く間を置いて様子を見た上で再度チューブ装着の小手…

饂飩と蕎麦

私たちが毎日お世話になっている日本語は、簡単なように思えるが実は意外なほど複雑で奥が深い。別に国語の学習が目的ではないが、普段口にしている食事についても話し言葉は日常的でも、タイトルの文字がすらすらと書ける人は多くはないだろう。国の教育方…

終末期医療とコロナ・ウイルス

ようやく少しだけ終わりが見え始めたコロナ・ウイルス感染症対策だが、その惨禍を一手に負わされた観がある医療機関の戦いはまだ終わらない。これだけ大きな拡がりを持つ厄害は珍しいが、人間が生きている限り克服せねばならない課題は多い。誰しもが必ず迎え…

人影が消えた街で

連休明けの7日(木)に2ヶ月ぶりに地元市立病院へ通院した。世の中は変われば変わるもので、コロナ・ウイルスによる非常事態宣言が発せられて以来様変わりしていた。不要不急の外出は控えるようにとの自粛要請は再三目や耳にしていたが、久しぶりに自宅を出て見…

老人日記(9)

約1ヶ月ぶりの老人日記になった。世に「暇で元気な高齢者」という言葉が頻繁に使われていたが、コロナ・ウイルスで非常事態宣言以降は目や耳にする機会が滅法減った。急に元気な高齢者が激減したわけではなく、外出自粛で自宅へこもっているから目立たなくな…

見えぬ不幸と聞こえぬ不幸

人間年齢を重ねると様々な現象に出くわすが、取り分け身体機能の衰えは悲哀を伴う。自然現象なので如何ともしがたいが、日を追って深まる衰退に抵抗するすべがない。医学の助けを借りるにも、最新の知識と技術を以てしても打つ手がないと宣告されて、温和し…

政治家の幸運と不運

世の中の出来事には常に幸運と不運が付き纏うが、選挙で選ばれる政治家はその能力や実力以上にタイミングが非常に大きく作用する。一口にタイミングと言っても色々あり、選挙に出る際の候補者同士の実力や、選挙が実施される時期の善し悪しまで各種様々だ。…