獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

老人日記(9)

 約1ヶ月ぶりの老人日記になった。世に「暇で元気な高齢者」という言葉が頻繁に使われていたが、コロナ・ウイルスで非常事態宣言以降は目や耳にする機会が滅法減った。急に元気な高齢者が激減したわけではなく、外出自粛で自宅へこもっているから目立たなくなっただけだ。元気な人も、そうでない人も、相変わらず世の中は高齢者だらけである。

 かく申す私も元気ではない重病人高齢者の一人だが、外出自粛要請があろうとなかろうと出掛けたくても出掛けられない組である。テレビのニュースで全国の繁華街から人影が消えたのを見て、又々テレビが得意とするギャグだろう程度に認識していた。安倍総理が度々テレビに登場しても、コロナ・ウイルス関連の担当になった西村大臣や加藤大臣が再三登場しても、テレビが報じるのは大半がお笑いタレントが主役の垢抜けないギャグだと思っているので、今一信憑性に欠ける。

 大勢の死者が出ている事態をギャグとは不謹慎だとお叱りを受けそうだが、これまでテレビは信じるに足る事実を伝えてきただろうかとの嫌疑が晴れない。何が面白いのか首を傾げざるを得ない"お粗末芸人"が次々出てきて、意味不明な奇怪な芸人ギャグやコントを喚き散らすだけの「お粗末文化」を享受しておいて、急に世の中が騒然となったからと言って真実を伝える力量が残っているのか。

 皮肉を込めて言わして貰うなら、「どの面(つら)下げて」というのがテレビに対する信用度だ。公共放送だというNHKにしても、民放テレビが使い古した"老人タレント"に高いギャラを払って「二番煎じ」に甘んじて、そのギャラの原資を国民から強制徴収する理由が分からない。懸命に民放の後追いしてコピーに明け暮れる番組制作を、「どの面(つら)下げて」信用しろというのか。

 予期せずコロナ・ウイルスに感染した人は誠にお気の毒に思うが、未曾有の非常事態を伝える主役の安倍総理や担当大臣と、ここぞとばかりに騒ぎ立てるマスコミが、これまでどれほどの真実を持ち合わせていたかを国民は忘れているらしい。国会での空々しい答弁を持ち出すまでもなく、嘘を事実だと誤魔化して恥じない面々が「どこ吹く風の面持ち」である。毎日テレビに登場するお笑いタレントの向こうを張る風情だ。

 嘘と真実がごちゃ混ぜ状態の現代社会で、コロナ・ウイルスだけはどうも真実らしい。関わる医療関係者だけが孤軍奮闘して、その他の業界や国民は政府と自治体の支援金待ちだ。大いに国の借金を増やして未曾有の大判振る舞いするらしい。この際だから後先など考えず、「みんなで貰えば怖くない」ようである。人生のゴールが目の前の高齢者は責任なしで、貰い得で貰い逃げが許されるらしい。

 大判振る舞いの後始末は誰がするのか、許されるならもう少し長生きしてそれを見届けたいものと思う。コロナ・ウイルスによる「世紀の大ギャグ」の顛末は、さぞかしの見物(みもの)になるに違いないと思うからである。不謹慎な高齢者は身分相応に大いに不謹慎な妄想に明け暮れている。そんな気にでもならなければ、昨今の時代は生きられない。そんな思いの今日この頃である。