獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

老人日記(13)

 東京にも雪が降るという予報が出て毎度お馴染みの大騒動にお目に掛かるのかと思ったら、"大山鳴動ネズミ一匹"にも到らなかった。良かったのか、悪かったのかのは判らないが、人の世同様にお天気も大いに気まぐれらしい。凡そ宛てになるようでならぬのが現代社会の新しい常識らしいが、迂闊に物事を信じようとする習性がある高齢者は気をつけねばならないようだ。

 コロナ騒動が依然としてというか、相変わらずと言うべきか、支離滅裂に迷走している。自ら責任を負って決定することなく、都道府県知事の要請を受けて「緊急事態宣言・非常事態宣言」をヨタヨタと発表する担当大臣と菅総理の顔が、近頃とみに臆面もない「馬鹿面」に見えてしょうがない。この人達には一片の知性の片鱗たりとも見出すのが困難だ。

 "笛吹けど踊らず"で、政府発表を鵜呑みに信じる国民がどの程度居ようか。"外出自粛"を訴えた舌の根も乾かぬ間に自ら銀座で大宴会を催した菅総理の言葉を、額面通りに受け取れという方が無理な相談だ。この国の政治は頭のてっぺんから爪先まで、見事と言う他ない嘘に充ち満ちているが、緊急事態も非常事態も「真っ赤」に見えるから滑稽だ。

 街行く人の顔には「お前らが勝手にやれば」との表情がありありだ。政治不信という言葉は使い古された趣だが前大臣や元大臣が次々検挙・逮捕される先進国は、同盟国アメリカに歩調を合わせて"おバカさん振り"を競っている。微塵も恥を感じぬ鈍感さもトランプ政権同様だ。アメリカは大統領選があるが、我が先進国はその手段すらない。

 コロナの感染拡大が新局面に突入しても、日米の閣僚は晴れ晴れとした表情だ。事態の深刻さなど爪の垢ほども感じないらしい。この非常時でも関心事はどう私腹を肥やすかのみのようだ。自らは1円の負担も負うことなく、権力を利用して補助金助成金をばらまいて"悪徳権力"を見せつけている。

 政治の醜態を嫌と言うほど見せつけられ、慣れ親しんで不感症になった国民は政治に目を向けない。我がことと認識する国民は少数派で、大半の国民は参加もせず放置しているのが実状だ。コロナには少なからず関心があっても、菅政権を気にかける国民はまず居ない。それを良いことに菅総理の"我が世の春"は当分安泰のようだ。

 嬉しくもない世相を横目に見て棺に片足を入れている高齢者は、自らの「死に時」を図り兼ねている。このままだと"三途の川"途中で引き返さねばならない羽目になりそうで、少し気掛かりだ。生きるのも大変、死ぬのも大変な世に、未だ命脈をつないでいる。