獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

奇跡のハーモニー7年連続 日野市立七生緑小学校合唱団

 何という素晴らしさであろうか。感動に胸が震えて言葉が出ない。自宅団地に隣接する小さな公立小学校が、NHK全国学校音楽コンクールで7年連続金賞受賞の快挙を成し遂げた。前人未踏の奇跡的記録である。若い後藤朋子指導教諭に最大限の祝辞と感謝を捧げたい。

 東京都日野市立七生緑小学校は創立12年の市内で最も新しい公立小学校である。長い歴史を誇る伝統校と違い、日野市の特徴である七生丘陵の一角に位置する小規模校である。晴れた日には遠く日光白根連山や筑波山などが展望できる、校名通りの緑豊かな環境にあります。多摩の爽やかな風が通り抜ける坂道を昇って、元気に子供たちが通っています。

 全国のどこにでもあるごく普通の公立小学校が、どうしてここまで前例のない記録を打ち立てたのかすぐ近くに住む住人の一人としても不思議である。特定教育に特化できる私立校ならいざ知らず、何の変哲もない小さな公立小学校だから余計に不思議でならない。言い換えれば全国のどんな僻地の小学校でも、努力さえ惜しまなければここまで到達できるということを、さりげなく実現して見せたと言えるだろう。

 この奇跡の記録の影には何と言っても、若い後藤朋子指導教諭の存在が飛び抜けて大きい。これだけの優れた合唱指導者が、どうしてこの小学校にいるのだろうかと首を傾げたくなるほどにこの人の指導力は図抜けている。そのことは一度でもこの小学校の合唱団に接したら、体の五感を通して痛いほど伝わってくる。

 合唱のために早起きしての早朝練習を欠かさず、音程やブレス、発音や曲想表現などをお互いに確かめ合って、一日ごとに出来ることが増えていく喜びを体現しています。強制されてやるのではなく、一人一人の子供たちが自分で考え、自分で行動する習慣が日常化しています。明るく伸び伸びとして健康的な歌声は、そこから生まれて育っています。

 昨年の12月には全国コンクール6年連続金賞受賞を祝って、地元日野市が主催してこの合唱団の無料クリスマスコンサートが市民会館大ホールで開催された。発表直後から観覧希望者が多数で抽籤になったが、幸い当選して生で歌声が聴けた。開演直後から驚きの連続であったが、とても小学生の合唱とは思えない自信に満ちた大きな歌声に魅了された。

 小学生の合唱の枠を越えて、数多くの賛美歌からスタンダードの名曲までを網羅し、時にミュージカルの演技まで交えて完璧に観客を魅了した。客席からはその素晴らしさを讃える拍手が鳴り止まず、延々とアンコールが繰り返される異例のコンサートだった。終演後は会場の照明が消え、ホールの通路から正面玄関まで合唱隊が並んで、歌いながらキャンドルサービスをして明るく手を振った。

 若い時分から数多くのコンサートを手がけた人間なので、その歌声とハーモニーが尋常ではないのが心に沁みて分かった。善くぞこれほどまでのレベルに到達したものだと、胸を震わせ涙を流しながら感動した。一人一人の子供たちの底抜けに明るい笑顔と、思わず笑いを誘うその挙動を微笑ましく思いながら、暫く会場から離れ難い思いすら感じた。

 今年もまた地元自治体が主催する無料コンサートが開催されるだろう。昨年以上に観客希望が増えると予想されるので、抽選に当たるよう全ての神仏に祈りたい心境である。地元日野市は「高幡不動尊」と、幕末の英雄として人気が高い新撰組の「土方歳三」に加えて、「市立七生緑小学校合唱団」という新しい財産を得た。誉れ高く後の世に伝わるであろう。

 この日野市立七生緑小学校が日々の散歩コースにあることを嬉しく思うと共に、日野市民の一人として誇りに思う。おめでとう!!! 日野市立七生緑小学校合唱団