獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

老人日記7(コロナ・ウイルス)

 世を挙げて「コロナ・ウイルス」の脅威に晒されている。先進国、後進国の別なく、世界が脅える異常事態である。暫くはなりを潜めていたメガ都市東京も、急に増えだした感染者数を受けて急遽外出の自粛要請になった。不要・不急の外出は控えて、自宅でおとなしく過ごすようにとのことだ。

 このような時に不謹慎だとは思うが、時代はさながら「第三次世界大戦」とも思しき事態に陥っている。勝者も敗者もない、兵器もない戦争だが、血を流さずに死んでいく人の数は大戦に劣らない。累々と増え続ける遺体を収容するために、野外に特別施設を設置した国さえある。かつての戦争でもこれ程の悲惨さは一部の戦地に留まっていた。

 21世紀に到達しても非常時に際して科学は無力だ。直ちに対応できずに苦慮し続けている。人類の叡智を結集しても尚且つ立ち向かえない「コロナ・ウイルス」とは何物か。微細な細菌すら克服できなくても、それでも人間社会に不可能はないと誰もが信じている。単純な道理がいつの間にか複雑化されて、訳が分からないまま翻弄されている。

 「コロナ・ウイルス」の脅威には脅えても、このような得体の知れない代物が何ゆえこの世に誕生したかについては、明快な回答が用意されていない。人類が人工的に作り出した「化け物」であることは明白なのに、その人類が右往左往するばかりで一向に出口が見えない。まるで人間が作った迷路に人間が迷い込んだが如き様相である。

 目に見えぬ敵に立ち向かうには等身大であってはならない。想定され得る限りの拡張を図って、その微細で巨大な影響力を直視せねばならない。どこかの国の誰かが作為的に利用しているとすれば、その実態解明を急がねばならない。解明するのみだけでなく、その処刑を急がねばならない。

 誰もが分かっていて、誰もが分からない巨大な影に、これ以上振り回されていては、人間が人間であることの真意が疑われる。否、もはや疑われる段階を遙かに超えて、途轍もなく人類社会を覆っている。この事態を打開の道は果たして開かれるのだろうか。