獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

NHKの不思議

 公共放送NHKが誇る看板番組の大河ドラマ「いだてん」が低迷している。悪いが、これほど面白くないドラマを誰が見続けるのだろうと思っていたら、案の定最近作の視聴率が3.7%だという。営業成績を競う民放なら、疾うの昔に関係者一同の首が飛んでいるだろう。この視聴率でも誰も責任を取らず、安穏と給与やボーナスが支払われ、出演者にギャラが払われている。

 半官半民という訳が判らない巨大組織だから、「親方日の丸」とばかりに巣喰うゴキブリの類いが大勢居るらしい。そう言えば先の参院選で登場した「NHKから国民を守る党」なる政党も訳が判らない。元NHK職員だという同党の党首は更に訳が判らない。訳が判らないことのオンパレードで彩られたNHKとは、一体何者なのであろうか。

 聞けば今月20日ラグビー・ワールドカップ決勝リーグの日本対南アフリカ戦を、急遽BS1の放送予定を変えて地上波の総合テレビで放送するそうな。同時間帯の大河ドラマ「いだてん」は中止だそうである。奢りに奢って今日まで維持されてきた事実上の「国営放送」が、多分同局始まって以来の看板番組の中止である。

 大河ドラマ「いだてん」については、どうすればこれほどつまらないドラマを制作できるのかと不思議に思っていた。中学や高校の演劇祭だって「いだてん」よりは余程面白い。アマチュアなりの素人臭さが鼻についても、次の展開に興味をそそられる。プロの一流役者を起用しながら、目を背けたくなるほどのつまらなさは格別の趣だ。

 ついでに言わして貰うが、このドラマの主役を演じる中村勘九郎は稀代の大根役者か、それとも天才役者なのかが判らない。初回とその後の2,3回を見ただけなので定かなことは言えないとしても、オリンピックに出場するマラソンランナーがまるでペンギンのような格好で走るのは如何なものか。こんな格好の陸上競技選手はついぞ見たことがない。

 従来のシリアス路線から最近のNHKが得意とするコメディ路線へ転換したのかも知れないが、余りに奇妙で見るのを止めた。同様の視聴者は決して少なくはないだろう。そんなに「お笑い」を獲りたいなら他でやってくれ、大方の視聴者の本音ではないかと思う。演じている役者は収入のためとは言え、誠に気の毒で同情を禁じ得ない。

 NHKは半官半民とは言え視聴料を国民から強制徴収している。その徴収方法に多くの国民が反撥して物議を醸していることをご存じないらしい。払わされる国民感情からすれば税金と何ら代わらないのである。そのことを忘れて「唯我独尊」の番組作り進めることを、決して歓迎しないことを申し上げておかねばならない。

 国民層にも色々ある。大衆迎合路線で視聴率を確保しようとの「安直路線」は民放各社の"専売特許"である。無料放送がやって人気を集めているから、有料放送のNHKが真似ることにどれほどの意義かあるのかを問いたい。自らに課せられた使命と責任を自覚できないのなら、まずもって役員と役職者全員が退職若しくは給与・報酬の大幅減額を実行すべきだ。

 色々な意味で大河ドラマ「いだてん」は、現在のNHKを象徴している。大衆迎合路線の民放でさえも二の足を踏む"訳が判らない番組"作りは、局の内外を問わず関係者が自分で自分の首を絞めていることに気づくべきだ。「やる気がない惰性」は国会だけで十分である。

 公共放送NHKの看板は疾うに錆び付いているが、それを象徴するもう一つの現象が「NHKから国民を守る党」である。党名は理解できなくはないが、国会に議席を得た後の行動が前代未聞である。一口で言えばやっていることが目茶苦茶で、こんないい加減な政党に税金が使われることに腹が立つ。

 大河ドラマ「いだてん」同様に、「NHKから国民を守る党」の"悪ふざけ"は目に余る。このような訳の判らないことを生み出し続けるNHKとは何ぞやに、大きな疑問符をつけざるを得ないと思う。