獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

商業主義社会の横暴

 商業主義の乱脈と横暴が眼につく。資本主義社会の宿命とは言え、利益を得るためなら何でも許されるとの風潮が蔓延して久しい。立法府も司法、行政も見て見ぬふりを決め込んで、警察が曲がりなりにも取り締まっている「振り込め詐欺」をよそ目に、文字通りの"やりたい放題"である。

 通販と呼ばれる「通信販売」を一度なりと利用した人はご承知と思うが、特に大手業者のヤフーや楽天を利用したら最後で、どこまでも広告が追いかけてくる。IT技術を駆使した利用者の嗜好性分析機能とやらで、注文した商品ばかりかその類似商品や関連商品の広告が怒濤のように押し寄せてくる。

 個人情報保護法が制定されたのは随分前だが、法制度の趣旨を無視して勝手に個人の意向分野に土足で踏み込む行為が、今や合法化されて白昼堂々と市民生活を蹂躙している。他人の体に無断で触れると痴漢として検挙されるが、人の心へ無断で踏み込む込んでも罪に問われることはないのは、明らかな片手落ちだと言わざるを得ない。

 何ゆえに誰の許しを得て、他人の心理を犯すのかが理解し難い。その行為が如何に無礼であろうと、無礼であると非難されない社会が正常なのであろうか。どう弁明しようと失礼極まりない「不愉快行為」が、まるで当たり前のように社会に蔓延しているこの現状を誰もが黙認している。誠に不可思議な時代である。

 他人の懐へ手を入れて搔き回すが如き行為が、何故か不思議に正当な商行為であると認識されて、今や安倍政権が奨励する経済成長政策の一環になっている。国を挙げて個人の人権を踏み潰して、巨大化した企業の利益に寄与しようと奨励されている。利益になりさえすれば善悪の"箍(たが)"は、いとも容易く逆転するように出来てるらしい。

 不正や不正義が堂々と正当化されてまかり通る図は、政治の場面で嫌と言うほど見せつけられているので今更驚きはしないが、何かしら最近の世相は納得できないことが余りに多い。間もなく訪れる近未来には行き場を失った利益至上主義が暴走して、気に入らない家族や職場の人間関係を一掃する"必殺仕事人会社"が出現するのかも知れない。

 古来「事実は小説よりも奇なり」というが、何が正しくて何が不正なのかさっぱり分からない怪しげな時代の、"師も走る季節"である。各々方努々ご油断なきようご注意なされよ!!!