獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

天下の悪法「政党助成金」

 与党自民党の総裁選と野党立憲民主党の代表選が相前後して行われた。国民が望んで居ようが居まいが、未曾有のコロナ国難に直面しているこの時期に、ノー天気に国会議員の先生方は"選挙ごっこ"に興じた。この光景を見せつけられて喜んだのはマスコミだけで、テレビも新聞も連日、国民から見ればどうでも良いことを仰々しく報じていた。

 政治が地に足がついた国民のための政治をしているなどと、寝惚けた理屈を今更述べるつもりは更々ないが、この時代のこの時期に呑気に選挙などに興じている面々の「バカ面」には、腹立たしさを通り越して失笑を催した。告示前から当落が確定しているゲームを賑々しくやって、悪いが"こいつら"は他にすることがないのかと一喝したい衝動を覚えたのは私だけではあるまい。

 民主主義とは誠に便利な制度である。非常時とも言うべきこの時期に"この程度"のバカバカしい"お遊び"をやっていても、人並み外れた議員特権が保障され、その特権を自分たちで勝手に決められる立法府に所属しているのである。言葉は悪いが、どんなに現実離れした悪法や悪制度も思いのままに決められるのだ。お手盛りどころではない「てんこ盛り」状態である。

 現在も司法の捜査や裁判で係争中の国会議員の犯罪があるが、何をやろうと、何をしようと、バレなければ"立派な議員活動"なのである。濡れ手に粟で巨額のリベートが行き来する政治が今や公然である。秋元司議員や河井克行前法相の行状は明々白々であっても、本人たちは恥知らずに無罪を主張し続けている。

 河井克行前法相には選挙前に1億5千万円が自民党本部から振り込まれている。どうぞ思う存分現金をばらまいて、派手な買収選挙をやって下さいと奨励しているようなものだ。その原資は私たち国民が支払った「政党助成金」という名の税金である。民主主義は実に優れた理想の社会制度だ。但し、一方の当事者である国会議員から見ればの話である。

 ここまで書くとこの先のあらすじが読めてしまうだろう。私たちが学校で学んできた民主主義は今や大きく様変わりして、国民のためではなく何ら役立たずの議員たちを"のさばらせる"温床になった。分不相応とも言うべき議員特権に、更に上塗りして「政党助成金」の名目で巨額の税金が使われている。

 仮に百歩譲ったとして、与野党を問わずどの政党が国民のための政治に寄与しているのか。明瞭にお分かりの方はどうぞお教え願いたい。特権の上に更に特権を与える理由が真にあるとは到底思えない。個人的主観で恐縮だが、この「政党助成金」こそ名実ともに天下の悪法だと思う。立法府を利用して議員たちが勝手に"お手盛り"した悪法に、主権者である国民は手出しが出来ない。

 これ以上の便利で美味しい制度は他にないと、嘯く議員たちの笑顔が見えませんか。善良な国民という言葉があるが、無為無策に指を咥えて眺めていることが善良だとはとても思えない。物言わぬ国民も時には行動すべきで、次の選挙で現行議員全員を落選させる選挙ボイコットや白紙投票で訴えるべきだ。悪法や悪制度は実力行使で返上させる以外手がないのである。