獨庵放言録

群れず流されず時代を見つめ続ける老人の、骨太で繊細な風変わりブログ!!!

#秋

秋の名残

降り続いた雨が止み久しぶりの青空が広がっている。雨に煙っていた間はよく見えなかった木々の彩りが、目に沁みるほど鮮やかに姿を現した。一口に紅葉と言っても、楓などの鮮烈な赤もあれば、銀杏のような鮮やかな黄色もある。自宅の目の前に拡がる小さな森…

雨上がりの晩秋

珍しく長い雨が上がった。朝方まで降り続いた雨が止んで薄日が漏れ出すと、色づいた木々の葉に残る雨滴が艶を帯びて輝き出す。ガラスの破片が飛び散ったようにキラキラと光って、息を潜めていた色づいた葉が急に生気を帯びたように、命のトレモロを奏で始め…

晩秋の雨

今日は朝からの雨だ。気象情報によれば今シーズン一番の冷え込みらしい。目の前にある紅葉した森が雨に煙っている。ありふれた表現だが、薄墨を溶かしたように煙っている。近くの小さな森や林はぼんやり見えるが、少し遠い低い山は霞に隠れて見えない。 毎日…

去りゆく季節に

急速に秋が深まっている。細長い日本列島だから、北の地方からは雪の便りが聞かれ始めた。狭い東京地方も場所によっては銀杏が黄色く色づいている。桜や欅などの広葉樹種は、赤や茶色に変わった落ち葉が風に舞っている。他のシーズンとは趣が違う"枯葉"の季…

祝賀御列パレードを終えて

11月10日日曜日の東京の空は、朝から雲一つない秋晴れだった。物事の見方や言い方は様々あるが、一国民の率直な気持ちからすれば「何がお目出度いのか」良く分からない華麗なパレードであった。毎度のことだが、皇室行事に早朝から行列を為して祝福する大勢…

秋の足音

今年は台風禍で秋の足音に気づく間がなかった。風情を感じる前に長期停電や水害が相次ぎ、何とも味気ない季節の到来となった。それでも慌てふためいているのは人間様だけで、自然は律儀に季節を変えてくれる。人それぞれに良くても悪くても、何気ない表情で…

菊の季節

今年もまた菊の季節になった。今年は特に新天皇のご即位があり菊とご縁が深い年になった。正16弁の菊はご存じの如く天皇家の紋章で、皇室と関わりがある全てのものに付されて金色に輝く。その精ではあるまいがこの季節は11月3日の文化の日を中心に、色々様々…

ハロウィンのバカ騒ぎ

戦争がない平和国家とはこのような現象を言うのであろうか。言葉を換えれば「平和呆けの象徴」とも言えることが実に色々様々ある。間近に迫った10月31日の「ハロウィン」騒動もその一つだろう。東京・渋谷は奇妙な格好の若者で溢れかえる。 善し悪しはともか…

吹き渡る秋風

秋の風は冷たい。春の風は歓迎されても、冷たい秋の風には顔を背ける。首にマフラーを巻き、コートの襟を立てて人は足早に通り過ぎていく。足元に舞う枯葉に目を留める人は殆どいない。小春日和の暖かい日もあるが、何故か道を行く人々は足早だ。街角の風情…

雨の功罪

秋の長雨シーズン開幕である。春雨と違って秋の雨が好きだという人には、余りお目に掛からない。若い女性はその場の気まぐれで「雨が好きだ」と口走ったりするが、大人世代になると何故か雨が好きな人は激減する。その精か雨に関する記憶に残るのは、若い女…

何気なく降る雨

大雨による河川の氾濫が続出した。台風が足早に去って昨日は抜けるような台風一過の青空が広がった。何らの被害にも遭わなかった人は呑気に良い天気になったなどと挨拶を交わしているが、洪水に見舞われた地域の皆さんは突然の自然災害に茫然自失であろうと…

「曼珠沙華」

細長い日本列島は南から北へと、季節毎に四季折々の花々が移ろいながら咲く。先頃まで家々の庭や公園などで見かけた真っ赤な彼岸花が終わった。秋のお彼岸が終わっても、咲き遅れの数輪が夏の名残を惜しむかのように咲いているのが見られた。「彼岸花」とい…

老輩の長閑な一日

まるで四季が失われたかのような近年の気象状況だが、それでも季節は確実に進行しているようで少しだけ"秋めいて"きた。10月だというのに夏が延長された如き真夏日が続いて、つい昨日まで心身共に疲労感が残っていた。朝晩の気温が下がって、日中はその見返…

今年も元気!! 鈴虫合唱団

鈴虫さんが元気だ。今年も8月下旬から徐々に鳴き始め、9月の声を聞くと一段と賑やかにかしましく"揃い踏み"を始めた。例年のこととは言え、2度の癌手術を終えた昨年は次々に現れる初体験の後遺症に悩まされ、折角の「鈴虫さんの大合唱」も殆ど耳に届かなかっ…

日本人の弔い

改めて申し上げるまでもない「高齢化社会」である。前後左右どちらを向いても高齢者が眼につく。そう言う自分もまた純然たる高齢者である。高齢化社会は好むと好まざるとに関わらず、人の「死」と向き合わざるを得ない。誰しもに訪れる"招かざる客"だ。当事…

秋の序章 秋子という名の女

遙かに遠い昔の話になるが、大きな瞳と整った健康的な笑顔が素敵な女が居た。まだ学生であった私は知らず知らずのうちに彼女の自宅の前を通って大学へ通うようになった。タイミング良く彼女と顔を合わす機会が多くはなかったが、それでも時折は女子高の制服…